『ハルカ・エイティ』のラストシーンがあの年齢時で終わっている
のは、えんえんと長くするよりも、その後から冒頭のヒルトンホテ
ルのシーンまでの生活を、土坂亮太(ホテル「野ばら」にいっしょ
に行った男性)とのシーンで推して量っていただくほうがいいと判
断したためです。六十代も七十代も、ハルカさんはあのシーンの調
子で生活をエンジョイしたわけです。
小説では、ハルカがタクシーの運転手さんからつきあってくれと
コクられたのは2002年のことになっていますが、じっさいは、
そのできごとは2005年、つまり今年のことです。
そう。ハルカさんはほんとに最後まで、死ぬ年までナンパされる
くらい、最後まで、女としてチャーミングに暮らして、そして、今
朝、静かにおだやかに、恵ちゃん(娘の作中名)にみとられてこの
世を去りました。
so happy life in case of HARUKA
この副題は文藝春秋の方がつけてくれたものですが、本当にこの
通りの人生で、その幸せなひかりで、たくさんの読者の方にひなた
ぼっこしてもらいたいと、あらためて今日、宮迫秋子は心より願う
しだいです。みなさん、御声援、本当にありがとうございました。