| 1958 |
8月 |
・ |
滋賀県生まれ。
「両親の仕事の都合で、いろんな人に預けられました」
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| 1961 |
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紙芝居に夢中(ただし保健所からの梅雨時の衛生のお知らせを紙芝居仕立てにした
もの) |
3才
「家の前の道から玄関を入って、家の中がどんなふうだったのか、すべて克明に覚えています。壁の材質、壁紙の
模様、剥げ具合、ドアの取っ手の形、鍵穴の形、床の様子、家具の位置、どこに押しピンが刺してあったかまで。その記憶があまりに鮮明なんで、ときどきそれ
に押しつぶされそうになって怖い」
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| 1966 |
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挿絵入り小説
『みにくいアンキャロル』 |
小学3年にして初めての小説を書く。
「え、ジャンルですか?純文学かしら。だって筋がないんだもの。アンキャロルはどこか外国に住んでて、家じゅ
うの鏡を割るの。自分を見
ないように」
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| 1970 |
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大阪万国博覧会 |
12才
「1970年は私の冴えの黄金時代だった」
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| 1971 |
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中学生時代 |
この頃すでに作家になろうと決めていた。中学生時代はとても異性にモテた。
「モテた理由はよく分かるんですよ。中学校の時は、すごく不潔だったの。潔くないのよ。こうするといいらし
い、っていうのをどこかで
知ってるの」
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| 1974 |
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高校生時代 |
成長して不潔なのはいやだと思うようになったら、モテなくなった。新撰組に夢
中。
「太ったし。ぜんぜんイカさなかった。サエない女子高校生でしたよ。現実世界に興味がなくて、司馬遼太郎に没
頭してた」
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| 1980 |
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大学生時代 |
読者の投書を書き直したり、編集部企画の〃すじだて〃をノベライズしたりするリライト作業を、いくつかの雑誌ではじめる。
映画評を中心にしたコラム連載もはじめる。このころから姫野カオルコという筆名を使うようになる。若き日の天才アラーキー、上杉清文、南伸坊らが自由奔放に活躍した伝説の雑誌『写真時代』(末井明編集長)にも連載した。 だが、『写真時代』を誤解(末井編集長の狙いともいえるが)する向きもあったように、過激とされる男性雑誌で、女子大生が、ポルノ映画評(映画評コラムのなかには、当時、活気のあったにっかつロマンポルノ評も多く含まれていた)を書いていたことは、後年、作品意図にも作家像にも誤解を与えることになった。
『私小説タイムストッパー』はこちらから。
姫野カオルコという筆名は、「だって、ヒメってヤらしい意味によく使われるし、カオルコってカタカナにするとオカルトとオマンコとカラオケに似ててオカシイし」という『写真時代』ノリの笑いと、「ちょっとかっこよく言うなら、〃おインテリなどクソくらえ〃的な気持ちもあった」からなのだが、「この名前が『anan』なんかに出ると、かわいこぶりっこみたいな雰囲気になるとはまるで気がつかず」、結果、女性誌で名前だけ知っていて実際に小説を読んだことのない人には、また別の誤解を与えることに。 |
| 1988 |
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幻の文庫本
『チゴイネルワイゼン』 |
「女性向けのシリーズ文庫のうちの一冊として出る予定だったんですが、書いてい
る途中で撤退が決まった。
一応は文庫のかたちになりました。書店に並んだのは1日、2日でしょうか。のちに『変奏曲』として出るのがこの作品です」 |
| 1990 |
3月 |
『ひと呼んでミツコ』
講談社 |
「『ひと呼んでミツコ』は最初、F社にもっていったら、やさしい人で。(格調高
くてすごくいい。だけど、
無名の人の場合は、セックスかバイオレンスがないとリスクが大きすぎて出せない)と言われた。J社も同じような答え。S社で門前払いされたので講談社に
持っていったら、偶然目にした部長が(面白い)といって即決。アッという間の展開でした」 |
| 1990 |
5月 |
『ガラスの仮面の告白』
主婦の友社 |
地方上京者の日常の陰影を、乾いた悲哀で綴った随想風小説。 |
| 1991 |
11月 |
『恋愛できない食物群』
毎日新聞社 |
後に『禁欲のススメ』と改題。無垢な乙女が淫らに綴る、ヒメノ式恋愛論。 |
| 1992 |
6月 |
『空に住む飛行機』
主婦の友社 |
後に『ドールハウス』と改題。家族小説。
戦後なお日本の長子に負わされる「家」なるものの在り方を、主人公がめぐりあった小さな出会いを引きに語る。 |
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9月 |
『ガラスの仮面の告白』
角川文庫 |
随想風小説と銘打つところ、事務段階の手違いによりエッセイ集とされたため(現在は訂正済)、これも誤解を招くことに。
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10月 |
『四角関係』
講談社 |
後に『A.B.O.AB』と改題。血液型を題材にしたショートショート集。若年
層向きライトノベル。 |
| 1993 |
4月 |
『ひと呼んでミツコ』
講談社文庫 |
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10月 |
『禁欲のススメ』
角川文庫 |
91年の『恋愛できない食物群』を改題。 |
| 1994 |
4月 |
『ドールハウス』
講談社文庫 |
92年の『空に住む飛行機』を改題。 |
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5月 |
『喪失記』
ベネッセ・コーポレーション |
心理葛藤小説。
登場人物たちは常に食べている。食事光景から、キリスト教の影響のもとに育った主人公の「女性性」喪失感が浮かび上がる。 |
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10月 |
『愛は勝つ、もんか』
大和出版 |
“子供は不純で狡賢く、少女とは人生でもっともうぬぼれたあぶらっこいスケベ
期”だと真実を淡々と語り、
“売春を国営化して福祉費にまわすべきである”と断言する。 |
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10月 |
『短編集H』
徳間書店 |
後に『H(アッシュ)』と改題。パロディ小説。学生時代に、〃先にイラストありき。先に写真ありき。場合によっては先に他者の下書きありき〃の編集部案先行ではなく、独自の案で書いた古典「平家物語」を題材にした作品をはじめ、ブランド妄信を皮肉った一見セクシーコメディ、奇妙な論文、など『ひと呼んでミツコ』以前の作品を、1980年代の流行・風俗の部分を1990年代ふうに調整して集めたもの。 |
| 1995 |
1月 |
『変奏曲』
角川文庫 |
恋愛小説。
双子の姉弟のリーインカネーションを、四つの時代を背景に綴った。2003年「ツ、イ、ラ、ク」が出るまでは著者唯一の「いわゆる」恋愛小説だった。
88年の『チゴイネルワイゼン』を改題。 |
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9月 |
『愛はひとり』
幻冬舎 |
大都市で働くひとり暮らしの女性の孤独と感傷を、散文詩風にまとめたリリカルな一篇。 |
| 1996 |
7月 |
『不倫(レンタル)』
角川書店 |
ハイパー小説。『ドールハウス』『喪失記』と本書で処女三部作完結。高度経済成
長期を経て滑稽に崩れ去っ
た美意識を遠景に描きつつ、地を踏みしめて歩む主人公の力強さが印象深い。 |
|
7月 |
『バカさゆえ・・・』
角川文庫 |
マニアック爆笑小説集。
『あしたのジョー』『奥様は魔女』『アタックNo.1』など往年の名作へのオマージュかパロディか。単行本版はなく「オリジナル文庫」として直接文庫とし
て出版された。 |
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『ラブレター』
光文社 |
後に『終業式』と改題。青春小説。
複数の登場人物(おもに高校時代の同級生)の、青春期から30代半ばにかけての生活。その光と翳が、全編「手紙のみ」で綴られる。メモ、FAXなども含ま
れるが、地の文は皆無という実験的手法。 |
| 1997 |
4月 |
『受難』
文藝春秋社 |
直木賞候補作。ハイパー小説。
12世紀のイタリア、アッシジ出身の聖人フランチェスコが、平成の日本、犬吠埼にリボーン。しかも女性。しかも股間に人面瘡ができた。しかも人面瘡はしゃ
べる。はたして二人は…? |
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7月 |
『ドールハウス』
角川文庫 |
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9月 |
『H(アッシュ)』
徳間文庫 |
94年の『短編集H』を改題。 |
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11月 |
『初体験物語』
朝日新聞社 |
剃刀のような感性と宇宙規模の知性を誇るカオルコヒメノが満を持して綴る現代の徒然草(角川文庫化のさいの紹介文より) |
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11月 |
『みんなどうして結婚してゆくのだろう』
大和出版社 |
本当にみんなどうして・・・どうやって結婚してゆくのでしょう?誰もがそういうものだとハナから疑わないことを分析・考察させたら当代随一の著者が本音で迫る、目からウロコのヒメノ式エッセイ(集英社文庫化のさいの紹介文より) |
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12月 |
『喪失記』
角川文庫 |
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| 1998 |
2月 |
『A.B.O.AB』
集英社文庫 |
92年の『四角関係』を改題。 |
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11月 |
『初体験物語』
角川文庫 |
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| 1999 |
1月 |
『整形美女』
新潮社 |
ロジック小説。
旧約聖書のカインとアベルの章を下敷きに、美容整形の実態と恐怖をちりばめながら、幸福とはなにかを問うた哲学的物語。 |
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3月 |
『終業式』
新潮文庫 |
96年の『ラブレター』を改題。 |
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3月 |
『蜜の眠り』
廣済堂アテール文庫 |
これは女性作家の書き下ろし短編を集めたアンソロジー。「見かけの速度の求め
方」収録。 |
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11月 |
『愛はひとり』
集英社文庫 |
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| 2000 |
1月 |
『愛は勝つ、もんか』
角川文庫 |
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2月 |
『蕎麦屋の恋』
イースト・プレス |
日常生活のはしばしに起こる情感の起伏を、さまざまな角度から物語にした短編集。総タイトルにもなった巻頭
作品は、穏やかで淡い恋愛
佳篇。 |
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3月 |
『すべての女は痩せすぎである』
大和出版 |
ジャージはダイエット効果抜群!
「素肌美人」を目指してはいけない。美人とは中身のない女のことである。男はすべてマザコンである、と知る。モテるためには、磨きすぎると損をする。 |
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6月 |
『サイケ』
集英社 |
1970年風俗小説。
性同一性障害は、同性愛者だけを指さない。ラクウェル・ウェルチを偏愛する小学生女児の目に映った1969年から70年にかけての時代。そしてサイケから
再びサイケにもどった時間を紡いだ短編集。 |
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11月 |
『みんなどうして結婚してゆくの
だろう』
集英社文庫 |
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『蜜の眠り』
光文社文庫 |
再刊。 |
| 2001 |
1月 |
『読書を楽しもう』
岩波ジュニア新書 |
岩波書店編集部編で13名の各界識者による読書のススメ。 |
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2月 |
『BUNDAN BAR』
角川書店 |
鈴木光司、花村萬月、馳星周との共著。日本放送のラジオ番組をもとにしたもの。
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2月 |
『不倫(レンタル)』
角川文庫 |
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4月 |
『ブスのくせに!』
新潮文庫 |
俳優・タレント・作品キャラを実例に、美をディープに考察。ヒメノ式「顔ウォッチング」の決定版。 (新潮文庫紹介文より) |
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8月 |
『ひと呼んでミツコ』
集英社文庫 |
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11月 |
『特急こだま東海道線を走る』
文藝春秋社 |
後に『ちがうもん』と改題。児童小説。
3才から8才までの記憶をモチーフにした短編集。よって昭和35年から43年くらいの記憶と、現在とが交錯する。昭和35年から43年ごろの日本は、まだ
人々の暮らしはやぼったく(とりわけ地方の小さな町においては)、幼児は大人よりも敏感に光景を見る。 |
| 2002 |
3月 |
『受難』
文春文庫 |
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8月 |
『よるねこ』
集英社 |
恐怖は日常にこそ潜んでいる・・・。なにげない日常から始まる恐怖を題材に綴った著者初の恐怖小説短編集。 (集英社文庫紹介文より) |
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9月 |
『ほんとに"いい"と思って
る?』
角川文庫 |
文庫オリジナル。世間に流通している常識や、"いい"とされているもの。我々はあまりに無自覚無批判にそれを受け入れていやしませんか? 見る物に思考停止を起こさせる禁忌をバッタバッタと斬りまくるヒメノ式エッセイの真骨頂(文庫紹介文より)。 |
| 2003 |
4月 |
『ボヴァリー夫人』
角川書店 |
文/姫野カオルコ・絵/木村タカヒロ
世界の名作を現代作家と画家のコラボレーションで大人の絵本にするシリーズ。原作はギュスタブ・フローベールの「Madame
Bovary」ボヴァリー夫人。 |
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6月 |
『サイケ』
集英社文庫 |
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10月 |
『ツ、イ、ラ、ク』
角川書店 |
直木賞候補作。これはスキャンダラスな小説である。これはインモラルな小説であ
る。これは問題を投げかけ
る小説でもある。これはハードコアな小説でもある。そして、これは崇高な純愛を描いた2003年度最強の恋愛小説。 |
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10月 |
『整形美女』
新潮文庫 |
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| 2004 |
2月 |
『終業式』
角川文庫 |
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6月 |
『すべての女は痩せすぎである』
集英社文庫 |
全面改稿。文庫版補足として新たに加えられた文も多数有。 |
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7月 |
『ワルツ』
祥伝社文庫 |
アンソロジー。結城信孝編。単行本『蕎麦屋の恋』に収録されていた「天国に一番
近いグリーン」を改題した
「ゴルフ死ね死ね団」が収録されている。 |
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9月 |
『蕎麦屋の恋』
角川文庫 |
角川オリジナル編纂。収録短編は「蕎麦屋の恋」「お午後のお紅茶」「魚のスープ
(全面的に書き直し)」の
三作。 |
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9月 |
『作家ってどうよ?』
角川文庫 |
2001年の『BUNDAN BAR』を改題。 |
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10月 |
『ちがうもん』
文春文庫 |
01年に発売された『特急こだま東海道線を走る』を改題。 |
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12月 |
『female』
新潮文庫 |
エロスをテーマにしたアンソロジー。オムニバス映画の原作「桃」掲載。 |
| 2005
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4月 |
『桃』
角川書店 |
オムニバス映画の原作「桃」を含む6つの短編集。 |
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6月 |
『よるねこ』
集英社文庫 |
ホラーテイストで奇妙な味の短編集。 |
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10月 |
『ハルカ・エイティ』
文藝春秋 |
実在の人物の実際の話を元にした著者初の試み。1050枚。 |