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メディアに掲載された姫野作品の書評を紹介(彼女は頭が悪いから/文藝春秋社)

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『彼女は頭が悪いから』文藝春秋社


第32回柴田錬三郎賞 受賞の言葉
2019年11月15日 受賞式で配布された小冊子(集英社)より
 シバタレンザブロウ。発音するだけで胸がしめつけられます。昭和五十年代もごく初め、高校生だった私が、苦心して苦心して手紙を書いていた相手こそ柴田錬三郎。
 片田舎の高校生が住む家は、岩のように暗く、小説家に手紙を出すなど頽廃とみなされたので、親に隠れて書き、投函するところさえ町民にみられぬよう、毎回偽名で住所も書かずに出していました。でも柴田先生には、風のように軽やかで自由に育ってきたように見せたい――。「苦心して書いていた」というのは、こういう意味です。
 東京に(それも女子が)出るのは、あばずれの親不幸とされていた時代、さらなる苦心をして上京したのですが、その年に柴田先生はお亡くなりに……。墓前に額ずいてから幾星霜。その間も長く、小説家になったことを親や郷里の人に隠し続けてきました。
 このたび、かつての高校生が生徒手帳に写真を入れていた作家の、その名を冠した文学賞を受賞できたことは感無量です。私にとっては青春賞です。この受賞は隠しません。本当に本当にうれしいです。
姫野カオルコ




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