●青春とは、/文春文庫
これまでの青春小説がとりこぼしてきた部分を掬った、すべての大人に贈る青春小説
2023/5月
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○悪口と幸せ/光文社
美貌も
知名度も
偏差値も
功績も
すべてをぶっとばす、あの部分
ルッキズムの悪口は蜜の味?
ヒメノ式「家族の寓話」へようこそ
昭和---平成---令和
それぞれの時代の風俗を巧みに取り込みながら
容姿への疑問と不安を物語に昇華させた連作集
2023/3月
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●彼女は頭が悪いから/文春文庫
被害者の美咲は東大生の将来をダメにした”勘違い女”なのか?
現代人の内なる差別意識に切り込んだ問題作!
第32回柴田錬三郎賞受賞作
2021/4月
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○青春とは、/文藝春秋社
コロナ禍のさなか、家でひきこもっていた女性が棚のなかから見つけた古い名簿と本。
「今からすればーー」
記憶の扉が開き、昭和50年代に共学の公立高校で過ごした思い出が、まるで映画を見ているかのようによみがえる。
『ラブアタック!』、ミッシェル・ポルナレフ、旺文社のラジオ講座、そして夜の公衆電話からかけた電話……
胸キュンな恋も、打ち込んだ部活も、そのうえスマホもなかった。でも確かにあれは――
大人のための、フツウな青春小説。
2020/11月
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○彼女は頭が悪いから/文藝春秋社
実際に起きた事件から着想を得たフィクション。
東大生5人による強制わいせつ事件。非難されたのはなぜか被害者の女子大生だった。
「私は東大生の将来をダメにした勘違い女なの?」
「非さわやか100%青春小説」 第32回柴田錬三郎賞受賞作
2018/7月
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●近所の犬/幻冬舎文庫
直木賞受賞第一作の書下ろし小説。
『昭和の犬』は読者にリテラシーを要したが
『近所の犬』は多くの人が気軽に楽しく読める一冊。
散歩で見かけた犬(猫も含む)のウォッチングがユウモラス。
ふらっと犬、ちらっと猫。ただ道で会い、ふれるたび、じーんとする。
滋味あふるる私小説。
2017/12月
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●純喫茶/
PHP文芸文庫
この文庫に収録された五編は、「純喫茶」がどこにでもあったころの記憶をモチーフとしています。したがって私の子供のころの記憶ということになりますが、過ぎた時代の風俗を綴るものではありません。「子供の記憶をモチーフとした短編集」といったほうが、背景とする時代がどうのというよりも、もしかしたら適切かもしれません。
------あとがきより抜粋
電子書籍でしか読めなかった『ちがうもん』を改題。
2016/3月 |
●昭和の犬/
幻冬舎文庫
昭和三十三年滋賀県に生まれた柏木イク。気難しい父親と、娘が犬に咬まれたのを笑う母親と暮らしたのは、水道も便所もない家。理不尽な毎日だったけど、傍らには時に猫が、いつも犬が、いてくれた。平凡なイクの歳月を通し見える、高度経済成長期の日本。その翳り。犬を撫でるように、猫の足音のように、濃やかで尊い日々の幸せを描く、直木賞受賞作。
2015/12月 |
○謎の毒親/
新潮社
YomYomに掲載されたものを全面改稿。 少女の頃から受けてきた謎の仕打ちの理由が知りたい!驚愕の実体験を「人生相談」の形式で描く長編小説。
2015/11月 |
●整形美女/
光文社文庫
旧約聖書のカインとアベルの章を下敷きに、美容整形の実態と恐怖をちりばめながら、幸福とはなにかを問うた哲学的物語。 2015/5月 |
●部長と池袋/光文社文庫
書籍未掲載作品を大幅改稿した「蔵出し」文庫オリジナル。読み味の違う2部構成の短編集。
2015/1月
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●お金のある人の恋と腐乱/徳間文庫
恋愛で結びつくなどという結婚は、働かないと食べてゆけない人がすること----。 上流階級でしか暮らせない
男女のめぐり逢いを、醒めた文体で描いた、四編からなるロンド小説。 新潮社から発売された「コルセット」改題。
2014/11月
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○昭和の犬/幻冬舎
柏木イク 昭和34年生まれ。嬰児のころより、いろいろな人に預けられていたイクが、両親とはじめて同居をしたのは、風呂も便所も蛇口もない家だった。
理不尽なことで割れたように怒鳴り散らす父親、娘が犬に咬まれたことを見て奇妙に笑う母親。それでもイクは、淡々と、生きてゆく。やがて大学進学のため上京し、よその家の貸間に住むようになったイクは、たくさんの家族の事情を、目の当たりにしていく。そして平成19年。49歳、親の介護に東京と滋賀を行ったり来たりするなかで、イクが、しみじみと感じる喜びとは。第150回直木賞受賞作。
2013/9月
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●リアル・シンデレラ/光文社文庫
『リアル・シンデレラ』あらすじ
〜童話「シンデレラ」について調べていたのを機に、ライターの〈私〉は、長野県諏訪市に生まれ育った倉島泉(くらしま・せん)について、親族や友人に取材をしてゆくことになる。
両親に溺愛され、近所の人にとっても注目の存在である妹の陰で理不尽なほどの扱いを受けていた少女時代、地元の御曹司との縁談、経営が傾きかけていた旅館の斬新なたてなおし、等々。取材するうち、リッチで幸せとは何たるかを、〈私〉のほうが問われるようになっていくドキュメンタリータッチのファンタジー。
2012/6月
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●風のささやき(介護する人への13の話)/角川文庫
日経BP社刊の「もう私のことはわからないのだけれど」を、雑誌連載時のタイトル『風のささやき---介護する人への13の話』に改題して文庫化。
解説は、御自身も介護を体験されている藤田香織さん。
2011/7月
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●結婚は人生の墓場か?/集英社文庫
小早川正人。 大手出版社に勤務し、年収は1000万円以上。
可憐な妻はチョー有名お嬢様学校卒で、ステキな我が家でレース編み。
二人の娘も妻の母校のお嬢様学校に通い、バレエとフルートが得意。
一見、理想の結婚生活だが、実態は多額のローンに追われ、仕事に追
われ、妻のリクエストに追われ、散歩すらままならず――。
みんなに祝福されてゴールインしたはずなのに、どこで間違ったのだろう?
シニカルで斬新な結婚論が炸裂する、衝撃の夫婦小説。
2010/4月
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○リアル・シンデレラ/光文社
不況日本に暮らす現代人にこそ知ってほしい、倉島泉の人生を。
新たなるドキュメント・フィクション。
童話「シンデレラ」について調べていたライターが紹介された女性、倉島泉。
長野県諏訪温泉郷の小さな旅館の子として生まれた彼女は、母親に冷遇され、
妹の陰で育ったが、町には信州屈指の名家「片桐様」の別荘があり、
ふとした縁で、松本城下の本宅に下宿することになる。
そこで当主の一人息子との縁談がもちあがり……。
多くの証言から浮かび上がってきた彼女の人生とは?
あとがき的あとがきはこちらから
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2010/3月
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○もう私のことはわからないのだけれど/日経BP社
掛川市の本多彩子さん、小田原市の内藤伸治さん、名古屋市の水野千春さん、岐阜市の衣斐昭夫さん、釧路市の続木宏美さん……等々。
母、父、夫、妻、子供……。家族について、日本のどこかに暮らす普通の人が、ふともらしたつぶやきを姫野カオルコが写し取った掌編小説。
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ひとりで泣くこともあるあなたに贈る愛の詩。
2009/6月
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●コルセット/新潮文庫
流れてゆく。男の子の唾液がわたしの喉を。吸いついてゆく。男の子の指がわたしの体を。あるふたつの箇所をのぞいて。
−−硬質な筆致で描く、スノビッシュな階級小説。
優雅で官能的な4編のロンド。
美しく爛れた人生には、退屈しかない。建設的で生産的な人生をいかに歩むかと考えたり努力したり自己を鼓舞したりするようなことは、働かないと食べてゆけない人たちがすること。――官能から始まった純愛、倒錯した被虐趣味、すれ違った片思い、南の島での三日間の邪淫。それすらも退屈しのぎ。
2009/5月
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●ハルカ・エイティ/文春文庫
大正9年滋賀県生れ。大阪に嫁ぎ、戦火をくぐり抜け、戦後の自由な空気を吸い、平凡な人生を平凡に生きた女は、しかし決して後ろ向きになることがなかった。ヒメノ式「女の一生」、直木賞候補の傑作長編。
「この物語はモデル小説とでもいえばいいでしょうか、実在の方に、戦場での体験をはじめ、その方々が感じられたことを聞き取ったり、残っている書簡などを見せていただいたりして、ストーリーを展開させた小説です。題名の「ハルカ・エイティ」は伯母が1995年に、小学館の雑誌のグラビアで「元祖モダンガール、ハルカさん」として紹介されたことによります。(あとがきより)
2008/10月
*単行本の装丁はこんなでした*
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●ツ、イ、ラ、ク/角川文庫
地方。小さな町。閉鎖的なあの空気。班。体育館の裏。制服。
渡り廊下。放課後。痛いほどリアルに甦るまっしぐらな日々−−。
給湯室。会議。パーテーション。異動。
消し去れない痛みを胸に隠す大人達に贈る、かつてなかったピュアロマン。
直木賞候補の長編。単行本刊行年には、
『本の雑誌』で「ベスト1だ!」(北上次郎)、
『週刊朝日』の書評担当者宇佐美貴子氏も『ダカーポ』において「ベスト1」にあげ、
「児童文学、青春小説、恋愛小説とも読める。作品の強度もギャグもテンションも高い、
素晴らしいエンターテインメント。なんでこれが直木賞じゃないんだ!」とコメント。
「こんなに笑った恋愛小説はない」(『週刊文春』米原万里)、
「こんなに主人公の幸せを願った小説ははじめて」(『読売新聞』角田文代)等々、
本読みのプロのあいだで凄まじいとさえ言えるほどの話題をさらった。
かの「同時代の人の小説を読まないぼくが唯一読んだのがコレ」という橋本治氏から推薦文も寄せられた。
2007/2月
*単行本の装丁はこんなでした*
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●桃 もうひとつのツ、イ、ラ、ク/角川文庫
『ツ、イ、ラ、ク』の外伝
★『ツ、イ、ラ、ク』を読んでからでないと意味がわからないので要注意!
『ツ、イ、ラ、ク』で綴られた「あの出来事」が、同じ時に長命中学にいた6人には、どんなふうに映ったか。
彼らそれぞれに流れた時間を慈しむように丁寧に描かれたスピンアウト連作集。『ツ、イ、ラ、ク』読了後に最適の一冊。
鷲田清一氏(大阪大学学長)推薦。 解説は『結婚は人生の墓場か?』の小早川正人氏。
2007/7月
*単行本の装丁はこんなでした*
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●よるねこ/集英社文庫(03-3230-6393)
恐怖は日常にこそ潜んでいる・・・。
なにげない日常から始まる恐怖を題材に綴った著者初の恐怖小説短編集。
☆文庫版あとがきへ
2005/6月
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●蕎麦屋の恋/角川文庫
日常生活のはしばしに起こる情感の起伏を、さまざまな角度から物語にした短編集。総タイトルにもなった巻頭作品は、穏やかで淡い恋愛佳篇。 2004/9月 |
●『ちがうもん』/文春文庫(03-3288-1211)
(旧題 特急こだま東海道線を走る)
1960年代の関西の小さな町を舞台にした短編集。子供の目から見た高度経済成長時代の空気、原風景を正統派の文体で見事に表現した情感あふれる逸品。
2004/10月 |
●受難/文春文庫
修道院育ちのフランチェス子(イタリアはアッシジ出身の聖人フランチェスコの生まれ変わり)は、平成の千葉県犬吠埼に住んでいたが、ある日、おまんこに人面瘡ができてしまう。「おまえはダメ女だ」と朝な夕なに人面瘡から罵倒されつつも、けなげに働くフランチェス子。極北の笑いと奇想天外な物語の裏に、現代人のジェンダーを見つめる醒めた視線が光る直木賞候補作。初群に面白い姫野カオルコナンバーワン代表作。
(解説・米原万里) 2002/3月
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●
サイケ/
集英社文庫
性同一性障害は、同性愛者だけを指さない。ラクウェル・ウェルチを偏愛する小学生女児の目に映った1969年から70年にかけての時代。そしてサイケから
再びサイケにもどった時間を紡いだ短編集。 2003/6月 |
●ひと呼んでミツコ/
集英社文庫
公衆道徳を厳守するミツコはまじめな女子大学生。彼女にはサイキック能力が宿っていた。彼女はその力をまじめに用いる。2001/8月 |
●ABOAB/
集英社文庫
血液型を題材にしたショートショート集。ティーン向きライトノベル。1998/2月 |
●愛はひとり/
集英社文庫
大都市で働くひとり暮らしの女性の孤独と感傷を、散文詩風にまとめたリリカルな一篇。 1999/11月 |
●終業式/
角川文庫
高校生だったあのころ。テストにやきもきして、文化祭に全力投球、ほのかな恋心、理科室のすみっこでの長い立ち話……。静岡県の同じ公立高校に通った四人の男女は卒業してからも、時にすれ違い、行き違い、手さぐりで距離をはかりながらずっと互いに気にかけていた。
在校中から20年のあいだにかわされた手紙、出されることのなかった手紙、はがき、FAX、授業中のまわしメモetc.だけで全編が綴られるなかに、普遍的なかけがえのない日々が切実にうかびあがる―。姫野文学屈指、青春小説の傑作!
(解説/藤田香織)
1956年〜1962年生れの方には特にお薦めですが、世代を超えた普遍性のある一冊です。3月には『終業式』です。
2004/2月 |
●ガラスの仮面の告白/
角川文庫
地方上京者の日常の陰影を、乾いた悲哀で綴った随想風小説。1992/9月 |
●変奏曲/
角川文庫
双子の姉弟のリーインカネーションを、四つの時代を背景に綴った著者唯一の「いわゆる」恋愛小説。1995/1月 |
●ドールハウス/角川文庫
戦後なお日本の長子に負わされる「家」なるものの在り方を、主人公がめぐりあった小さな出会いを引きに語る。 1997/1月 |
●喪失記/
角川文庫
登場人物たちは常に食べている。食事光景から、キリスト教の影響のもとに育った主人公の「女性性」喪失感が浮かび上がる。 1997/12月 |
●レンタル(不倫)/角川文庫
『ドールハウス』『喪失記』につづく三部作完結編。
高度経済成長期を経て滑稽に崩れ去った美意識を遠景に描きつつ、地を踏みしめて歩む主人公の力強さ。 2001/2月 |
●バカさゆえ…。/
角川文庫
『あしたのジョー』『奥様は魔女』『アタック・1』など往年の名作へのオマージュかパロディか。マニアック爆笑小説集。単行本版はなく「オリジナル文庫」
として直接文庫として出版された。 1996/7月 |
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アッシュ/
徳間文庫
古典「平家物語」を題材にした学生時代の作品をはじめ、ブランド妄信を皮肉った一見セクシーコメディ、奇妙な論文、など初期作品を集めたもの。流行、風俗
の部分のみ、一部改稿。 1997/9月 |