実は先月に姫野読者同士の結婚式がありました。二人が出会ったきっかけはファンサイト主催のオフ会。もちろんその時点で二人とも本書を読んでいる姫野ファン。ですから○○枕は絶対使わないし披露宴の引き出物がでっかい○○ということはありませんでした。最も○○枕のほうは確かめておりませんが・・・。 この○○はなんじゃ？ と、興味を持たれた方はぜひ本書を読んでみてください。

本書は実際に結婚したいと思っている男女にとっては、夢や希望や憧れから一歩退いて冷静になって、もう少し実情と言うか現実的な問題に目を向けるきっかけになるかも知れません。結婚は勢いとノリで決めるという人が多い（ＣＩＡ調べ）のですが、実際は死ぬまで続く当たり前の日常を結婚生活と呼ぶわけで、あれほど熱く燃えた恋愛感情も、いつのまにか冷めて平熱の日々。珍しく普段より一時間以上も早く帰ったら、妻は集まった近所の奥さんたちとワインを飲みながらイタリア料理なんかを楽しそうに食べていて、帰ってきた夫を見て迷惑そうな顔で「早く帰るならそう言ってくださらないとぉ・・・」とか小声で言うもんだから、思わず「あっ、大事な書類忘れてきた」と、着替えもせずに家を飛び出して駅裏の焼き鳥屋で軟骨をつまみに焼酎を飲んでいるアナタ。って、何のはなしでしたっけ。そうそう結婚生活という時に大事なのは結婚のほうではなくて、生活のほうだというはなしでした。で、結婚は「するのが当たり前」という大前提から疑ってみようというのが本書の立ち位置です。じゃあ、本書はいわゆるフェミニズムの本かと言うと全然そうではありません。本当は結婚をテーマにすると売れるかもという企画意図もあったりして・・・。実際雑誌では結婚・セックス・ダイエット、最近ではブランド物がらみでセレブ特集というのが手っ取り早く売れる企画の代表らしいですから。

さて、以前紹介したエッセイ『ブスのくせに！』でプリティ・ウーマンをやり玉に挙げてたくさんの敵（と言うのは大袈裟か）を作った姫野さんですが、今回敵に回すのは、医者・背の高い男・小柄な女・大きな引き出物が好きな田舎の人間・子供が寝ている横でセックスする夫婦・貴金属類を女性に買ってあげたい男・東京の自宅ボーイ達（出版関係者にも多いらしい）などなど。「どうして結婚だってぇ？ふっ」などと薄笑いを浮かべて余裕をかまして読み始めたあなたにも、いつヒメノ式の玉が飛んでくるかわかりませんよ。